PROパック省エネ理論概要①
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実量制契約
大口(契約電力50KW以上)の電気使用者(正式には電気需要家と呼ぶ)は 実量制契約(通称デマンド契約と呼ぶ)という契約の基に電気の供給を受けています。 この実量制契約の場合、電力会社は次の数値を検針日に記録します。①1か月の電気使用量(どれだけの電気を使用したか)(単位はKWH)
②1か月の最大デマンド値(単位はKW)
この②に示す1か月間の最大デマンド値というものが曲者で、これについて説明します。
まず1日24時間を30分ずつに区切り48の時間帯(時限と呼ぶ)に分割します。 (0:00~0:30, 0:30~1:00と言った具合です) そしてその1つの時間帯(30分間)に使用した電気の量がデマンド値です。 ですから1日には48のデマンド値がある訳です。
更にある期間を決め(1日、1か月、1年など)、その期間内のデマンド値の内の最大のものを その期間の最大デマンド値と呼びます。②で示した1か月間の最大デマンド値とは検針日から 次の検針日の1カ月間の最大デマンド値のことを言います。
したがって1か月間のある30分間に集中して電気を使用すると、 この1か月間の最大デマンド値は大きくなります。 (1か月間の電気使用量は少ない場合でも) ここでこの②の1か月間の最大デマンド値により電気基本料金が算出される契約を実量制契約といいます。
実量制契約の基本料金について
その算出方法は次式によります。(式1)に示す様に基本料金はこの過去1年間の最大デマンド値に比例して高額になります。
重要なのは基本料金を計算する際の最大デマンド値とはその支払月の1か月間の最大デマンド値ではなく、 支払月からさかのぼった過去1年間の最大デマンド値から計算されてしまうと言うことです。
ここで言い方を変えますと基本料金は、支払月からさかのぼった過去1年間のたった1回の30分間に 記録された最大デマンド値により決定されてしまうと言うことです。
デマンドコントロール
そこで最初から計画を立て、ある一定値以上集中して電気を使わない様に設定値を決め (設定デマンド値と呼ぶ)その値以上に電気を集中して使用しそうな場合に (設定デマンド値をオーバーしそうな場合に)冷房機など業務に支障の少ない電気機器 (前もって選択しておく)の運転を自動的に停止させ、その後デマンド値が 設定デマンド値以下になった時点で自動的に運転を再開させるコントロールをデマンドコントロールと 呼んでいます。このデマンドコントロールを行うことにより、何もしなかった場合の最大デマンド値を設定デマンド値まで 引き下げられますから、従ってその差の分の基本料金を1年間に渡り削減できます。